安価のお題で短編
1: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)20:46:40 ID:PUc
遅いぞ
期待するな
>>3
期待するな
>>3
3: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)20:49:49 ID:UB7
LGBT
4: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)21:36:26 ID:PUc
アキが怒っていたのは、本当はずっと前からだった。
カムアウトした人たちや、そう噂される人たちの
ことを、クラスメイトは同じ人間だと思っていない。
LGBTはみんな自分たちのカーストの外にいて、
ちょっと苦労してるけど、その分心が強くて、
機転が利いて、マジョリティにないアイデアがある。
あいつらは、そういう風に見ながらやっぱり
自分たちを一緒くたにして気味悪がってる。
同じ人間なのに、動物園の珍獣を眺めるみたいに、
柵越しのコミュニケーションで、LGBTを尊重してると
思い込んでいる。そうじゃないんだ、違うんだ。
そういう気持ちが爆発して、アキはクラスメイトを
殴った。人ってこんなに硬いんだと初めて感じた。
クラスメイトはアキを輪の中心にして黙る。
アキはその輪を断ち切って教室を出て行く。
アキはもう手ぶらで家に帰って、そのまま
学校を辞めるつもりになっていた。そのアキの
あとを、ハルが肩で息をしながら、追ってくる。
「アキっ」
ハルが叫ぶ。こんな大きな声出るのか、と、
アキは心中驚いていた。
「ボクがカムアウトして、アキが辞めたら、おかしいよ」
「いいんだよ。ハル、お前、強く生きろよ」
「それはアキだよ。アキ、いま、弱虫だよ」
意外な単語がハルの口から出て、アキは訝しむ。
「弱虫?」
「アキはボクと一緒に生きることが、勇気の証だよ」
その言葉に、重力に反抗していたアキの涙が、こぼれる。
「いいのか?」
「いいに決まってるじゃん」
ハルは目を真っ赤にしながら笑う。アキは思わず、
ハルに飛びつくようにして、その薄い胸を抱きしめた。
カムアウトした人たちや、そう噂される人たちの
ことを、クラスメイトは同じ人間だと思っていない。
LGBTはみんな自分たちのカーストの外にいて、
ちょっと苦労してるけど、その分心が強くて、
機転が利いて、マジョリティにないアイデアがある。
あいつらは、そういう風に見ながらやっぱり
自分たちを一緒くたにして気味悪がってる。
同じ人間なのに、動物園の珍獣を眺めるみたいに、
柵越しのコミュニケーションで、LGBTを尊重してると
思い込んでいる。そうじゃないんだ、違うんだ。
そういう気持ちが爆発して、アキはクラスメイトを
殴った。人ってこんなに硬いんだと初めて感じた。
クラスメイトはアキを輪の中心にして黙る。
アキはその輪を断ち切って教室を出て行く。
アキはもう手ぶらで家に帰って、そのまま
学校を辞めるつもりになっていた。そのアキの
あとを、ハルが肩で息をしながら、追ってくる。
「アキっ」
ハルが叫ぶ。こんな大きな声出るのか、と、
アキは心中驚いていた。
「ボクがカムアウトして、アキが辞めたら、おかしいよ」
「いいんだよ。ハル、お前、強く生きろよ」
「それはアキだよ。アキ、いま、弱虫だよ」
意外な単語がハルの口から出て、アキは訝しむ。
「弱虫?」
「アキはボクと一緒に生きることが、勇気の証だよ」
その言葉に、重力に反抗していたアキの涙が、こぼれる。
「いいのか?」
「いいに決まってるじゃん」
ハルは目を真っ赤にしながら笑う。アキは思わず、
ハルに飛びつくようにして、その薄い胸を抱きしめた。
6: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)21:41:54 ID:UB7
>>4 頑張った感が伝わって来た
kskst
kskst
5: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)21:37:25 ID:PUc
難しいよな
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>>8
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>>8
8: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)22:07:05 ID:7yV
ソフトクリーム
9: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)23:07:51 ID:PUc
「はいはいはいはい!」
「え? なになになに」
トモヤが両手で運んできた2つのソフトクリームを、
サキは両手で受け取る。それは、街中で身動きが
取れなくなることを意味していた。
「ちょっと! これ!」
インスタ映えするとの触れ込みの、高さ30センチは
あろうかというソフトクリーム。しかも炎天下で
どんどんクリームが溶けて、今にも倒れそうになる。
「おい! ちょっと! 支えてよ!」
サキが叫んでも、右手のチョコレートソフトと、
左手の巨峰ソフトが、左右の手に流れていく
スピードは変わらない。どんどんコーンからこぼれていく。
「はいもらった、ストーリーにあげー」
トモヤがスマホのカメラをかざすのを、
サキは身をひねって避けようとする。
「あのさあ! マジでこう、このやろう!」
サキは必死の思いで右手のチョコソフトを突き出した。
「あー!」
ソフトクリームの溶け出した頂上が、トモヤの
額に刺さる。茶色のクリームがべったりと顔を覆う。
「…お前っ」
「スマホに当たらなかっただけ良かったと思え、ゴミが」
サキは左手の巨峰ソフトもトモヤに突き刺して、
もと来た道を大股で歩いて去っていった。
こうして、サキとトモヤのデートは開始1時間で終わった。
トモヤの顔面は茶色と紫に染められ、街中の
群衆に撮影され、ツイッターに晒された。
「え? なになになに」
トモヤが両手で運んできた2つのソフトクリームを、
サキは両手で受け取る。それは、街中で身動きが
取れなくなることを意味していた。
「ちょっと! これ!」
インスタ映えするとの触れ込みの、高さ30センチは
あろうかというソフトクリーム。しかも炎天下で
どんどんクリームが溶けて、今にも倒れそうになる。
「おい! ちょっと! 支えてよ!」
サキが叫んでも、右手のチョコレートソフトと、
左手の巨峰ソフトが、左右の手に流れていく
スピードは変わらない。どんどんコーンからこぼれていく。
「はいもらった、ストーリーにあげー」
トモヤがスマホのカメラをかざすのを、
サキは身をひねって避けようとする。
「あのさあ! マジでこう、このやろう!」
サキは必死の思いで右手のチョコソフトを突き出した。
「あー!」
ソフトクリームの溶け出した頂上が、トモヤの
額に刺さる。茶色のクリームがべったりと顔を覆う。
「…お前っ」
「スマホに当たらなかっただけ良かったと思え、ゴミが」
サキは左手の巨峰ソフトもトモヤに突き刺して、
もと来た道を大股で歩いて去っていった。
こうして、サキとトモヤのデートは開始1時間で終わった。
トモヤの顔面は茶色と紫に染められ、街中の
群衆に撮影され、ツイッターに晒された。
10: 名無しさん@おーぷん 2018/07/02(月)23:08:51 ID:PUc
インスタとか上げたことないけどね
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>>13
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>>13
12: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)00:18:07 ID:faD
寝るから
安価踏んだ人へ
お題見るのは明日になるから
書きあがるのもそれ以降
おやすみ
安価踏んだ人へ
お題見るのは明日になるから
書きあがるのもそれ以降
おやすみ
13: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)01:44:33 ID:Ep0
おパンツこわい
14: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)10:50:12 ID:faD
「おい! お前、パンツが怖いって言ってたよな?」
「ああもう、怖くて怖くて、見るだけで震えが…」
「ほらっ! 見ろ、どうだ、山盛りのパンツだぁ!
お前を怖がらせるために街中から掻き集めたぞ!」
「うっ…はあっ! や、やめてくれぇ、こんな大量の
パンツ! うわぁ、これは縞パン…はあ、怖い…
少女の匂いがする…怖い怖い…ああ、これは黒レース…
淑女の深い薫りが怖い…うん? このスコートからは
テニス女子の臭いが…怖いなあ、怖いなあ」
「なんだお前、パンツ大好きじゃないか!」
「うーん、ここらで1つ、男の娘のパンツが怖い」
「ああもう、怖くて怖くて、見るだけで震えが…」
「ほらっ! 見ろ、どうだ、山盛りのパンツだぁ!
お前を怖がらせるために街中から掻き集めたぞ!」
「うっ…はあっ! や、やめてくれぇ、こんな大量の
パンツ! うわぁ、これは縞パン…はあ、怖い…
少女の匂いがする…怖い怖い…ああ、これは黒レース…
淑女の深い薫りが怖い…うん? このスコートからは
テニス女子の臭いが…怖いなあ、怖いなあ」
「なんだお前、パンツ大好きじゃないか!」
「うーん、ここらで1つ、男の娘のパンツが怖い」
15: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)10:51:00 ID:kBW
>>14
俺は好きだぞ
俺は好きだぞ
17: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)10:53:43 ID:faD
>>15
ありがとー
ありがとー
16: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)10:51:35 ID:faD
落語は難しいね…
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>>18
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>>18
18: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)10:55:12 ID:kBW
じゃあスイカ割りの少女
19: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)21:20:36 ID:faD
生垣の緑も、庭の土色も、目の前の全てが
太陽の白い光をユカに集めるようにして、
世界を輝かせていた。青い水玉の水着姿のユカが、
木のバットを持って立っている場所の影は小さくて、
夏が空から降ってきているのを視覚で確認できる。
たった三メートルしかスイカから離れてないのに、
目隠しされているユカは、真夏の銀河を冒険
している。俺はそれを、軒先で眺めている。
「お兄ちゃん、どっち? ねえ聞いてるでしょ!」
「もうちょい右」
わざと素っ気なく答えると、ユカはふくれてみせる。
そのまだ幼さを残す表情が、俺にはたまらなく
愛おしくて、じっと見入ってしまう。
「このまま前でいいの? 何歩ぐらい?」
「三歩あるいて、そのまま、どんって行け」
ユカが爪先立ちで、土を滑るように前に進む。
「えいっ!」
ユカがバットを振り下ろすと、大玉のスイカは、
白々とした昼光のなかに飛び散った。果汁が
ユカの身体にかかる。俺はタオルを持って、
ユカに近づき、目隠しの帯を解いてやる。
「やったあ! 命中命中!」
「やるじゃん」
俺はユカの身体を拭く。磁器の人形を磨くように。
「ちょっと、拭き方、やらしいよ、お兄ちゃん」
俺はユカの首筋にかかったスイカの汁を舐めた。
ユカが、少し息を止めて、俺を押し離す。
「そういうことすると、捕まるんだから」
「いつまで待てばいいのさ」
俺が訊くと、ユカは手首を指差す仕草をする。
「女の子は準備に時間がかかります。でも、
その間に浮気したら、呪うからね。わかった?」
「わーったよ」
俺が言うと、ユカが満面の笑みでタオルを奪い取り、
踊り子みたいにクルクルと跳ね回る。
俺はスイカを大皿に乗せて、居間へと上がる。
そういえばセミが外の至る所で鳴いていたが、
二人ともスイカへの宇宙旅行に夢中で、
虫の発情の騒音なんて聞こえていなかった。
夏だった。庭はやはり白く輝いていた。
太陽の白い光をユカに集めるようにして、
世界を輝かせていた。青い水玉の水着姿のユカが、
木のバットを持って立っている場所の影は小さくて、
夏が空から降ってきているのを視覚で確認できる。
たった三メートルしかスイカから離れてないのに、
目隠しされているユカは、真夏の銀河を冒険
している。俺はそれを、軒先で眺めている。
「お兄ちゃん、どっち? ねえ聞いてるでしょ!」
「もうちょい右」
わざと素っ気なく答えると、ユカはふくれてみせる。
そのまだ幼さを残す表情が、俺にはたまらなく
愛おしくて、じっと見入ってしまう。
「このまま前でいいの? 何歩ぐらい?」
「三歩あるいて、そのまま、どんって行け」
ユカが爪先立ちで、土を滑るように前に進む。
「えいっ!」
ユカがバットを振り下ろすと、大玉のスイカは、
白々とした昼光のなかに飛び散った。果汁が
ユカの身体にかかる。俺はタオルを持って、
ユカに近づき、目隠しの帯を解いてやる。
「やったあ! 命中命中!」
「やるじゃん」
俺はユカの身体を拭く。磁器の人形を磨くように。
「ちょっと、拭き方、やらしいよ、お兄ちゃん」
俺はユカの首筋にかかったスイカの汁を舐めた。
ユカが、少し息を止めて、俺を押し離す。
「そういうことすると、捕まるんだから」
「いつまで待てばいいのさ」
俺が訊くと、ユカは手首を指差す仕草をする。
「女の子は準備に時間がかかります。でも、
その間に浮気したら、呪うからね。わかった?」
「わーったよ」
俺が言うと、ユカが満面の笑みでタオルを奪い取り、
踊り子みたいにクルクルと跳ね回る。
俺はスイカを大皿に乗せて、居間へと上がる。
そういえばセミが外の至る所で鳴いていたが、
二人ともスイカへの宇宙旅行に夢中で、
虫の発情の騒音なんて聞こえていなかった。
夏だった。庭はやはり白く輝いていた。
20: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)21:22:09 ID:faD
美少女描写がまだまだだなあ…
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>>23
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>>23
23: 名無しさん@おーぷん 2018/07/03(火)21:38:43 ID:0a7
ガンダム
24: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)00:03:42 ID:634
ここは地球のとある砂漠地帯、トットリ。
砂漠のオアシスの周辺では、モビルスーツの
残骸から部品を集めて売買するギルドが発展している。
今日も男たちはトレーラーとSUVを駆り、
乗り捨てられたモビルスーツから使えそうな
部品を選別し、解体し、運び、ゲリラやテロリストに
売りさばいていく。それが彼らの生業である。
そして今日もオアシスに戦利品が運び込まれる。
「父ちゃんおかえりー!」
子供たちが父親たちの帰りを待っている。
父親は子供を抱きかかえ、妻に帰還のキスをする。
そのギルドの若頭が、今日は難しい顔をして
帰って来たので、若頭の妻は尋ねた。
「どうしたんだい?」
「いや、珍しいものを拾ったんだが」
「珍しいなら高く売れるじゃない」
妻の言葉に、若頭は首をかしげる。
「珍しいっても、何だか分かんねえんだ」
その部品は、大きな傘のような形をしていた。
しかし、真ん中に大きな穴が開いていて、
家の屋根にするには使えない代物だ。
若頭は、オアシスで1番の物知りと言われる、
長老を連れて来て、部品を見てもらった。
長老は杖を突き突き、部品の表面を撫でたり、
叩いたりしたあと、ふうん、と唸って、こう言った。
「こりゃ、スラスターじゃなあ」
その単語に、若頭は血が燃えるような興奮を覚えた。
「スラスターって、あの、宇宙で飛ぶやつか?」
陸戦型しか見たことがなかった若頭にとって、
スラスターは話でしか聞いたことのないものだった。
「そうか、宇宙のモビルスーツが、このトットリにも、
もう近づいてるってことか」
「あんた、ヤバイ戦争が近づいてるんじゃないの?」
妻の心配に、若頭はつっけんどんに言い返す。
「バカヤロ、これはデカイ商売のチャンスだ。
あっちこっちで部品が足りなくなる。
そしたら俺たちの出番だ。忙しくなるぞ」
若頭は予備のトレーラーの整備を舎弟に命じた。
若頭は楽観的だった。この時の判断が、その後の
大きな厄災につながるとは、思ってもいなかった…。
砂漠のオアシスの周辺では、モビルスーツの
残骸から部品を集めて売買するギルドが発展している。
今日も男たちはトレーラーとSUVを駆り、
乗り捨てられたモビルスーツから使えそうな
部品を選別し、解体し、運び、ゲリラやテロリストに
売りさばいていく。それが彼らの生業である。
そして今日もオアシスに戦利品が運び込まれる。
「父ちゃんおかえりー!」
子供たちが父親たちの帰りを待っている。
父親は子供を抱きかかえ、妻に帰還のキスをする。
そのギルドの若頭が、今日は難しい顔をして
帰って来たので、若頭の妻は尋ねた。
「どうしたんだい?」
「いや、珍しいものを拾ったんだが」
「珍しいなら高く売れるじゃない」
妻の言葉に、若頭は首をかしげる。
「珍しいっても、何だか分かんねえんだ」
その部品は、大きな傘のような形をしていた。
しかし、真ん中に大きな穴が開いていて、
家の屋根にするには使えない代物だ。
若頭は、オアシスで1番の物知りと言われる、
長老を連れて来て、部品を見てもらった。
長老は杖を突き突き、部品の表面を撫でたり、
叩いたりしたあと、ふうん、と唸って、こう言った。
「こりゃ、スラスターじゃなあ」
その単語に、若頭は血が燃えるような興奮を覚えた。
「スラスターって、あの、宇宙で飛ぶやつか?」
陸戦型しか見たことがなかった若頭にとって、
スラスターは話でしか聞いたことのないものだった。
「そうか、宇宙のモビルスーツが、このトットリにも、
もう近づいてるってことか」
「あんた、ヤバイ戦争が近づいてるんじゃないの?」
妻の心配に、若頭はつっけんどんに言い返す。
「バカヤロ、これはデカイ商売のチャンスだ。
あっちこっちで部品が足りなくなる。
そしたら俺たちの出番だ。忙しくなるぞ」
若頭は予備のトレーラーの整備を舎弟に命じた。
若頭は楽観的だった。この時の判断が、その後の
大きな厄災につながるとは、思ってもいなかった…。
25: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)00:05:13 ID:634
ごめんガンダムそのものを出し忘れた
しかし
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>>28
しかし
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>>28
28: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)05:57:21 ID:xxm
そのIDにちなんで武蔵
29: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)06:20:05 ID:634
宮本武蔵は待っていた。柳生十兵衛の挑戦を。
山奥で独り、修行の身に自分を置きながら、彼の
到来を今か今かと首を長くして待っていたのだ。
「あっ、あれは!」
眼帯をした男の姿が見える。しかし風体はやくざ者だ。
「なんだ…森の石松か」
宮本武蔵は肩を落として、また修行に戻る。
宮本武蔵は待っていた。柳生十兵衛の来訪を。
「あっ、あれは!」
眼帯をした男の姿が見えたが、自衛隊の制服姿であった。
「なんだ…ヒゲの隊長か…」
宮本武蔵は待っていた。柳生十兵衛は必ず来ると。
「あ、あれは…」
眼帯をしていたが、イグアナの真似をしたり、
赤塚不二夫とイチャイチャしている。
「なんだ…若手時代のタモリか…」
宮本武蔵は待っていた。もう何だったら
眼帯をつけていれば誰の挑戦を受けても
いいような気さえしていた。
「早くこないかなあ、十兵衛」
武蔵の顔は、恋する乙女の人待ち顔だった…。
山奥で独り、修行の身に自分を置きながら、彼の
到来を今か今かと首を長くして待っていたのだ。
「あっ、あれは!」
眼帯をした男の姿が見える。しかし風体はやくざ者だ。
「なんだ…森の石松か」
宮本武蔵は肩を落として、また修行に戻る。
宮本武蔵は待っていた。柳生十兵衛の来訪を。
「あっ、あれは!」
眼帯をした男の姿が見えたが、自衛隊の制服姿であった。
「なんだ…ヒゲの隊長か…」
宮本武蔵は待っていた。柳生十兵衛は必ず来ると。
「あ、あれは…」
眼帯をしていたが、イグアナの真似をしたり、
赤塚不二夫とイチャイチャしている。
「なんだ…若手時代のタモリか…」
宮本武蔵は待っていた。もう何だったら
眼帯をつけていれば誰の挑戦を受けても
いいような気さえしていた。
「早くこないかなあ、十兵衛」
武蔵の顔は、恋する乙女の人待ち顔だった…。
31: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)06:22:20 ID:xxm
>>29
草 表題は「時をかける武蔵」で
草 表題は「時をかける武蔵」で
30: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)06:21:29 ID:634
膨らまんかった…
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>>33
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>>33
33: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)10:53:04 ID:fPq
殺し屋
34: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)22:43:44 ID:634
「こちらがご所望の」
そう言って、依頼主の側近がトランクを指差す。
港の空き倉庫に、俺は報酬を受け取りに来た。
「地面を滑らせて、よこせ」
俺が言うと、側近はトランクをこちらに
下手投げでよこす。俺はトランクの中のユーロの
束を確認したあと、思わず、深いため息をついた。
「なにかご不満でも?」
「いや」
側近の言葉に、俺は首を振る。
女子供は殺さないって決めてたんだけどな。
どうしてこんな事になっちまったんだろうな。
まだ9歳だぜ? 何の因果で頭を撃ち抜かれる事に?
まあ、俺が撃っといて何言ってんだって感じか。
王子様が王様になった途端に周りの大人が
鬼になる。その鬼に手を貸したのも、俺だ。
殺し屋だからな。出された分だけ働かなきゃならない。
方々金借りまくって、結局自分のケジメを
守れなかった。馬鹿だよ。まあ、馬鹿じゃなかったら
殺し屋なんかやらないか。親無しの貧乏で、
学もなかったから、他に仕事もなかったんだよ。
あんなに大人に食い物にされ続けてきて、
俺はあんな奴らにはならないぞって、決めてたんだ。
でも、これで俺もアイツらの仲間入りってこと。
大人になった? 馬鹿言うなよ、俺の中のガキが
死んで、魂のない抜け殻が銃持ってるだけさ。
「では、私はこれで」
側近が去っていくのを、俺は胸元に隠した
拳銃を掴みながらも、眺めていることしかできなかった。
そう言って、依頼主の側近がトランクを指差す。
港の空き倉庫に、俺は報酬を受け取りに来た。
「地面を滑らせて、よこせ」
俺が言うと、側近はトランクをこちらに
下手投げでよこす。俺はトランクの中のユーロの
束を確認したあと、思わず、深いため息をついた。
「なにかご不満でも?」
「いや」
側近の言葉に、俺は首を振る。
女子供は殺さないって決めてたんだけどな。
どうしてこんな事になっちまったんだろうな。
まだ9歳だぜ? 何の因果で頭を撃ち抜かれる事に?
まあ、俺が撃っといて何言ってんだって感じか。
王子様が王様になった途端に周りの大人が
鬼になる。その鬼に手を貸したのも、俺だ。
殺し屋だからな。出された分だけ働かなきゃならない。
方々金借りまくって、結局自分のケジメを
守れなかった。馬鹿だよ。まあ、馬鹿じゃなかったら
殺し屋なんかやらないか。親無しの貧乏で、
学もなかったから、他に仕事もなかったんだよ。
あんなに大人に食い物にされ続けてきて、
俺はあんな奴らにはならないぞって、決めてたんだ。
でも、これで俺もアイツらの仲間入りってこと。
大人になった? 馬鹿言うなよ、俺の中のガキが
死んで、魂のない抜け殻が銃持ってるだけさ。
「では、私はこれで」
側近が去っていくのを、俺は胸元に隠した
拳銃を掴みながらも、眺めていることしかできなかった。
35: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)22:47:02 ID:634
ハードボイルドはあまり読まないなあ…
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>>38
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>>38
38: 名無しさん@おーぷん 2018/07/04(水)22:49:02 ID:78U
アインジャールートの戦い
39: 名無しさん@おーぷん 2018/07/05(木)14:08:57 ID:mrz
俺のLINEにケンタから通知がはいったのは、
ちょうど午前零時を時計が表示したときだった。
俺は原付きでファミレスまで出向いて、
ケンタのいる席を探して、ドリンクバーを頼んだ。
「なに? こんな深夜に呼び出して」
「アイツと別れた」
目を真っ赤にしながらそう言ったケンタを見て、
俺は哀れさと同時に可笑しさを感じてしまった。
「あ、そう」
笑いをこらえてそう返すと、ケンタは目を丸くする。
「なんだよ、もっとビックリしろよ」
「いや、あんまり、当然かなというか」
俺が言うと、ケンタはそこから二時間に渡って、
別れた女の思い出を語り始めた。どこへ行った、
何をプレゼントした、何を一緒に歌った、
どんなセックスをした、どんな愛を誓い合ったか。
俺の口からは思わず、変な単語がこぼれ出た。
「…アインジャールートの戦い」
「え?」
「いや、なんでもない」
俺はコップに注いであったアイスティーを飲み干し、
一息ついた後、少しの決意を持って、ケンタに言った。
「お前にとっては、あの女と付き合ったのは、
初体験の大勝利だとは思うよ。でもなあ、
向こうにとっちゃお前なんか、数ある男の中の
ほんの何十人かの一人に過ぎないってことさ」
俺の言葉に、しばらく呆然としていたケンタが、
頭を抱えて、テーブルに突っ伏し、嗚咽し始める。
俺は、もう慰められないな、と思って、ファミレスを後にした。
ちょうど午前零時を時計が表示したときだった。
俺は原付きでファミレスまで出向いて、
ケンタのいる席を探して、ドリンクバーを頼んだ。
「なに? こんな深夜に呼び出して」
「アイツと別れた」
目を真っ赤にしながらそう言ったケンタを見て、
俺は哀れさと同時に可笑しさを感じてしまった。
「あ、そう」
笑いをこらえてそう返すと、ケンタは目を丸くする。
「なんだよ、もっとビックリしろよ」
「いや、あんまり、当然かなというか」
俺が言うと、ケンタはそこから二時間に渡って、
別れた女の思い出を語り始めた。どこへ行った、
何をプレゼントした、何を一緒に歌った、
どんなセックスをした、どんな愛を誓い合ったか。
俺の口からは思わず、変な単語がこぼれ出た。
「…アインジャールートの戦い」
「え?」
「いや、なんでもない」
俺はコップに注いであったアイスティーを飲み干し、
一息ついた後、少しの決意を持って、ケンタに言った。
「お前にとっては、あの女と付き合ったのは、
初体験の大勝利だとは思うよ。でもなあ、
向こうにとっちゃお前なんか、数ある男の中の
ほんの何十人かの一人に過ぎないってことさ」
俺の言葉に、しばらく呆然としていたケンタが、
頭を抱えて、テーブルに突っ伏し、嗚咽し始める。
俺は、もう慰められないな、と思って、ファミレスを後にした。
40: 名無しさん@おーぷん 2018/07/05(木)15:40:13 ID:Abv
落語して欲しい
41: 名無しさん@おーぷん 2018/07/05(木)21:02:07 ID:mrz
えー、噺家なんてやっておりますと、師匠の
運転手から、なんてことはまあ当たり前でして。
これ、色々なことを側で学ぶという以外にも、
偉い人に事故をさせちゃあ大変というわけでして。
無論、人など轢いたら一大事、噺家としての
生命も絶たれかねないですから、簡単には
偉い人は、趣味でもなければ運転などしないんですな。
そう考えますと列車の運転士さんなどは大変な
ものでして、ハンドルがないですから避けようも
ないのに、月末になると真っ青になった人が
線路に飛び込んできます。あれは大変ですね。
私のような無責任な人間には務まりません。
かといって真っ青になる方も事情がありまして、
過去には文七元結などの名作もありますように、
売掛が回収できないと雇い主に大目玉ですから、
それはもう命を捨てる覚悟もしてしまうというもので。
「あー、今日も一日頑張って働いたなあ、ここいらで
ストロングゼロと行きたいとこだが、今日は
奮発して店で飲んでもみようかなあ、どうするか、
うーん。…おや? 誰かホームの端っこで突っ立って、
今にも倒れそうにしてらあ。おい、スーツの若いの、
どしたあ? サラリーマンか? 一緒に飲むか?」
「あっ! 離してください! もうダメなんです!」
「おいおいちょっと待て! わーったぞ、おめえさん、
線路に飛び込むつもりだったな、こん畜生!
何があった? どうせ女に振られたんだろ?
女なんてなあ、吉原や川崎に行きゃいくらでも」
「違うんです! 離してください!」
「違うんだったら訳を話せい! そうじゃねえと線路に落とすぞ!」
「落としてくださるんですか?」
「んなわけねーだろ! いいから訳を話せ!」
「今月の…今月の売掛が回収できなかったんです。
このまま帰ったら会社もクビで、もう人生おしまいです…」
「なーにを言ってんだ! 『うりかけ』だろ?
今すぐ俺が持ってきてやらあ!」
「本当ですか?」
「おお、任しとけ!」
そういって男は駆けていくと、スイカを手にして、
若いサラリーマンの元へ戻ってきました。
そして、通過する急行電車に向かって、スイカを
ポーン! と投げると、粉々になった破片を手に、
「どーだ、見事な『瓜欠け』だろ!」
運転手から、なんてことはまあ当たり前でして。
これ、色々なことを側で学ぶという以外にも、
偉い人に事故をさせちゃあ大変というわけでして。
無論、人など轢いたら一大事、噺家としての
生命も絶たれかねないですから、簡単には
偉い人は、趣味でもなければ運転などしないんですな。
そう考えますと列車の運転士さんなどは大変な
ものでして、ハンドルがないですから避けようも
ないのに、月末になると真っ青になった人が
線路に飛び込んできます。あれは大変ですね。
私のような無責任な人間には務まりません。
かといって真っ青になる方も事情がありまして、
過去には文七元結などの名作もありますように、
売掛が回収できないと雇い主に大目玉ですから、
それはもう命を捨てる覚悟もしてしまうというもので。
「あー、今日も一日頑張って働いたなあ、ここいらで
ストロングゼロと行きたいとこだが、今日は
奮発して店で飲んでもみようかなあ、どうするか、
うーん。…おや? 誰かホームの端っこで突っ立って、
今にも倒れそうにしてらあ。おい、スーツの若いの、
どしたあ? サラリーマンか? 一緒に飲むか?」
「あっ! 離してください! もうダメなんです!」
「おいおいちょっと待て! わーったぞ、おめえさん、
線路に飛び込むつもりだったな、こん畜生!
何があった? どうせ女に振られたんだろ?
女なんてなあ、吉原や川崎に行きゃいくらでも」
「違うんです! 離してください!」
「違うんだったら訳を話せい! そうじゃねえと線路に落とすぞ!」
「落としてくださるんですか?」
「んなわけねーだろ! いいから訳を話せ!」
「今月の…今月の売掛が回収できなかったんです。
このまま帰ったら会社もクビで、もう人生おしまいです…」
「なーにを言ってんだ! 『うりかけ』だろ?
今すぐ俺が持ってきてやらあ!」
「本当ですか?」
「おお、任しとけ!」
そういって男は駆けていくと、スイカを手にして、
若いサラリーマンの元へ戻ってきました。
そして、通過する急行電車に向かって、スイカを
ポーン! と投げると、粉々になった破片を手に、
「どーだ、見事な『瓜欠け』だろ!」
42: 名無しさん@おーぷん 2018/07/05(木)21:03:06 ID:mrz
安価じゃなかったけど、特別ね
次
>>45
次
>>45
45: 名無しさん@おーぷん 2018/07/05(木)23:55:42 ID:m9H
舐めたいくらいにパンツ好き
46: 名無しさん@おーぷん 2018/07/06(金)20:47:17 ID:RjE
刑事「警部、お連れしました」
警部「ご苦労。…で、あなたがパンツさんで?」
パンツ「はい。舐めたいくらいパンツが大好き、
パンツさんです」
警部「…この鑑識の場で舐められると困るんだが、
まあ、とりあえずあなたの力を借りたい。
このパンツ。犯行現場に落ちていたのですが、
早急に持ち主を調べたいんです」
パンツ「どれどれ…ほお、イチゴパンツですな」
刑事「児童でしょうか?」
パンツ「いえ、サイズから考えると十代でしょう。
匂いを失礼…うむ、24時間ははいている。
処女で間違い無いでしょう」
刑事「そんなことまで分かるんですか…」
パンツ「性格は少しMかな…彼氏もいますが、
相手が奥手なために困っているようで…
はあ…はあ…ああ、もう…」
警部「舐めるなよ、舐めさせるな、お前抑えろ」
刑事「は、はい!」
パンツ「えれー! あえー! 舐めさせてくれー!」
警部「情報は揃った! みんな聞き込みに散れ!
こいつは公務執行妨害で逮捕だ!」
刑事「確保! 確保ー!」
パンツ「舐めさせてー!」
警部「ご苦労。…で、あなたがパンツさんで?」
パンツ「はい。舐めたいくらいパンツが大好き、
パンツさんです」
警部「…この鑑識の場で舐められると困るんだが、
まあ、とりあえずあなたの力を借りたい。
このパンツ。犯行現場に落ちていたのですが、
早急に持ち主を調べたいんです」
パンツ「どれどれ…ほお、イチゴパンツですな」
刑事「児童でしょうか?」
パンツ「いえ、サイズから考えると十代でしょう。
匂いを失礼…うむ、24時間ははいている。
処女で間違い無いでしょう」
刑事「そんなことまで分かるんですか…」
パンツ「性格は少しMかな…彼氏もいますが、
相手が奥手なために困っているようで…
はあ…はあ…ああ、もう…」
警部「舐めるなよ、舐めさせるな、お前抑えろ」
刑事「は、はい!」
パンツ「えれー! あえー! 舐めさせてくれー!」
警部「情報は揃った! みんな聞き込みに散れ!
こいつは公務執行妨害で逮捕だ!」
刑事「確保! 確保ー!」
パンツ「舐めさせてー!」
47: 名無しさん@おーぷん 2018/07/06(金)22:09:06 ID:RjE
終わり
遊んでくれてあんがとさん
遊んでくれてあんがとさん
48: 名無しさん@おーぷん 2018/07/06(金)22:09:56 ID:zak
またやってくれよな
2018/7/18 00:00